#23-1. ニューイングランドの夏

巽孝之 ウェブ上では何と半年もお休みしてしまったことになります。すべてお互いの仕事が忙しいためですが、ほんとうは夏休み明けにでも、小谷さんの9月末のデューク大学集中講義を中心に、第23回としてお届けできるはずだったんですよね。小谷真理 すいませ…

#22-4. もう誰も愛さない

巽 ところで、最近衝撃的だった映画といえば『下妻物語』ということで、珍しくわれらふたり意見が一致していますが、さらにうれしかったのは、新作というよりも1991年前半の連続テレビドラマ『もう誰も愛さない』のDVD四枚組が出たことですね。携帯電話もイ…

#22-3.アリプロ、アニパロ?

巽 7 月には二度ほどライヴに足を運びましたね。7月15日のアリ・プロジェクトの「地獄の季節」は、オンエア・ウェストの特等席で観ることができたんですが、いやはや宝野アリカさんのお色直しもさることながら、今回は日本刀を振り回すステージ・アクション…

#22-2.ウィリアム・ウィルスン的幻想の一夜

小谷 だけど何といっても近来最も記念すべき事件は、以前から話題にはしてたんだけど、教授と同姓同名でHPも持ってる九州朝日放送のアナウンサー巽孝之さんに、念願のお目もじが叶ったことでしょう(笑)。巽 野阿梓氏が、そのために6月25日の晩、天神はダイ…

#22-1. 少女文化の鬼

巽孝之 今年こそはタイトルどおり月刊を守ろう、と思ってたんですが、春学期にはいつになく忙しくて、気がついたらもう夏休み。われわれふたりとも、ふつうの講演とは一味ちがうオープンキャンパスの模擬授業なるものに引っ張り出されたりしてますが。小谷真…

#21-5. 是枝裕和最新作『誰も知らない』はファンタジーか?

巽 小谷さんはこのところ荒戸源次郎監督の『赤目四十八瀧心中未遂』も是枝監督の『誰も知らない』もファンタジーとして堪能しちゃったみたいですねえ。製作者側はみんなハードコア・リアリズム映画と信じてるはずだけど、たしかに『誰も知らない』は、いささ…

#21-4.ドキュメンタリー映画祭のマイケル・ムーア

小谷 最終日はこのデモの衝撃があまりにはげしかったので、デューク大学編集部のレナルズ・スミス夫妻のお誘いもあり、ちょうどダーラムで開催されていたドキュメンタリー・フィルム・フェスティバルで息抜きしよっかと思ったら、工場労働者の問題やら水問題…

#21-3.夜を取り戻せ!

小谷 あれねえ〜。エイプリル・フール、つまり4月1日夕刻に、デューク大学で女性を中心としたデモがあったんで、ダイアンに誘われて参加してきたんですよ。ダイアンは、文化人類学の領域ではグアテマラ研究でしられているヒトですが、実は熱烈なサイバーパン…

#21-2.ノース・カロライナの春休み

小谷 『コールド・マウンテン』は、こないだ六本木ヒルズでようやく観ました。水曜日で1000円だからっていうので行ったら、最前列しかあいてなくて、首を90度に屈曲して見てたら、しばらくもとにもどらなかった。苦しかった。 でも、内容が「女子供老人のユ…

#21-1. 『エイリアン・ベッドフェロウズ』発刊!

巽孝之 春休み後半は、例年だったら八ヶ岳の別荘および書庫開きの季節なんですが、今年は3月20日(土)に小谷さんの『エイリアン・ベッドフェロウズ』出版記念パーティが西麻布の「カラーズ」にて盛大に開かれたうえに、そのあと、ふたりとも3月30日から4月5…

#20-4.地雷原を駆け抜けて

巽 ところで、今月は2月20日から坂手洋二脚本になる燐光群の新作「だるまさんがころんだ」が公開されていますが、これがとんでもない傑作。 「白鯨」「屋根裏」「CVR」を融合したかのような、少なくともわたしが評価する坂手演劇の長所を全開した、世界でも…

#20-3.ゴス道のパフォーマンス

巽 このところ、ようやく卒論面接が終わったのでいろいろ足を運べるんですが、ゼミOG依田由布子君が出演した昭和傑作戯曲選(現代制作舎+グループ虎)は、昔なつかしい清水邦夫の戯曲二作をリメイクしたもので、そこにもゴス風味が混ざっていて、ちょっとし…

#20-2. パニック・アメリカーナの余白に

巽 昨年2003年12月のゼミOB会のあと、何とパニカメ史上初の新聞取材を受けることになったんですよ。文化部記者の加藤修さんは毎年10月初めのノーベル賞の季節になると電話をくれて、「ピンチョン、デリーロあたりが受賞したら是非原稿を」という話になるのが…

#20-1. 2003年暮れのサンディエゴ

巽孝之 CPA Monthlyも2000年1月に第一回をスタートして丸四年が経ち、とうとう第20回を迎えました。思い返せば、第一回のテーマは三田周辺が事故多発地帯だということでしたね。風水的にも危ないのではないか、と。当時はわれわれもシャンボール三田に住んで…

#19-3 クルド系カンフー!

巽 だから今回は、われわれにとっての最終日11月26日(水曜日)に女性作家委員会がセッティングしてくれたツアー以外では、いわゆる観光をしていない。もちろん、このときにはフリーダ・カーロ美術館へ行ったり、その付近のレオン・トロツキー記念館へ行った…

#19-2.2003年度国際ペン大会

巽 メキシコシティの国際ペン大会は、これまでわたしが出席した1984年の東京大会、1987年のニューヨーク大会とはがらりとちがった雰囲気で新鮮でしたよ。 ラテン・アメリカ文学の巨匠バルガス・リョサがうろうろ歩いていたり、南アフリカのノーベル賞作家ナ…

#19-1.JFK40周年のマイケル

巽孝之 気がつくとまたクリスマス直前。これがすむとMLAのためのサンディエゴ出張ということで、その合間をぬって書いてるんですけど、学部や大学院含めてゼミ単位で考えれば、昨年の特集タイトルどおり、またまた「驚異の年」が続いてしまった印象です。そ…

#18 アメリカンパイってどんな味?

●アメリカン・パイってどんな味?巽孝之 とうとう宝塚歌劇団による「アメリカン・パイ」が上演されましたね。小柳奈穂子さんによる思い入れたっぷりの演出で。小谷真理 そう、またまた原作者の萩尾望都さんとマネジャーの城章子さんが予約を入れて下さって、…

#17-4 関西2003年初夏

巽:さいごに我が国の演劇のほうですけど、ここんとこ、ゼミOG依田由布子君の出た燐光群の『屋根裏』とか千木良悠子君の出た指輪ホテルの『情熱』も観たりして、それぞれ活躍ぶりを堪能しましたが、何といってもスタジオライフの『トーマの心臓』が百回を超…

#17-3 マディソン2003年春

小谷:なるほどー。そういえば、5月には教授は学会シーズンで、とくにスタインベック協会の特別講演のために資料をさがしまくってたいへんだったんだよね。わたしはというと、かれこれ7年ぶりになるのかなあ、とつぜん思い立って、フェミニズムSF大会で有名…

#17-2 東京2003年春

巽:そうですね、じつをいうと、意外かもしれませんが、学会発表でもなければ講演会でもない、いわゆるパネルやシンポジウムでもないトークショウっていう形式は、ほとんど初めてなんじゃないかな。昨年暮れに、専門とは何の関係もないんですが長年の趣味が…

#17-1 ニューヨーク2002年冬

巽孝之:ほんとは昨年2002年の暮れ、12月25日から大晦日まで、MLA(近現代語学文学協会)年次大会のために滞在したニューヨークがとっても楽しかったので、ぜひそのときの印象記を、とHP管理人さんからは言われてたんですよ。ところが、2月に大串尚代君の結…

#17 [拡大版]CPA Biannual???

#15 ゴシック・クリスマスは終わらない

巽孝之 いつもは年末どたばたしてて、クリスマスカードも間に合わないんですけど、今年度ばかりは何としても更新せよ、とHP管理人さんからのお達しがありました。それで大急ぎでふりかえってみると前回、夏休み報告のあとには、例年どおり八ヶ岳ゼミ合宿が続…

#14 モハーヴェ砂漠を駆け抜けて

巽孝之 昨年夏の東海岸出張のほとんど直後に、9.11同時多発テロが起こったんですね。そのせいじゃないけど、以後いろいろあって今回の西海岸出張は、何と一年ぶりのアメリカになります。8月23日から9月3日まで、ロサンジェルスからラスヴェガス、グランドキ…

#13 いまなぜ出雲で

巽孝之 7月2週目の週末は、ほんと久々というか、ほぼ22年ぶりの出雲行きで、なつかしい思いをしました。あれはたしか1980年ころじゃなかったかと思いますけど、日本アメリカ文学会の全国大会が島根大学で開かれたんですね。そのときのパネルのテーマがほかな…

#12 指輪物語、その他の物語

巽孝之 昨年、『ハリー・ポッター』の話をしたと思ったら、今年に入るやいなや、トールキンの『指輪物語』第一部「旅の仲間」の映画化『ロード・オブ・ザ・リング』の試写が始まり、その話もしないわけにはいかなくなりました。近々、<ユリイカ>や<鳩よ!…

#11-3. では『ハリー・ポッター』試写はどうであったか?

巽 最近じゃ、ピアニスト青柳いづみこさんの新しいCD 『水の音楽』(キング・レコード)のライナーノーツも書いたでしょう。それに、映画のプログラムブックへの寄稿も増えてきてますよね。 そこでいよいよ、試写をいっしょに観に行った『ハリー・ポッター』…

#11-2. 9月11日危機一髪!

巽 それで、9月4日に帰国してすぐ、新井素子さん肝煎りのホシヅルの日があったり、夢枕獏さん肝煎りの萩尾望都さんの『残酷な神が支配する』完結記念パーティがあったり。そうこうしてるうちに、9月11日には例の世界貿易センターとペンタゴンのテロ事件でし…

#11-1. 2001年アムトラックの旅

巽孝之 いやあ前回が8 月2日付で、ローリー・エディソンの写真展のこととか喋ってるでしょう。もう4ヶ月近く経ってる。 あのあと、ゼミOG依田由布子君が出演したユーム・エンタープライズのオムニバス演劇のひとつ「幕張の女」(8月8日、於・銀座みゆき館劇…