#26-3.センス・オヴ・ジェンダー賞、ティプトリー賞

小谷 それでこの日は、シンポジウムの打ち上げをやってから、SFセミナー合宿企画へも移動したんです。
   まずは恒例「センス・オブ・ジェンダー賞候補作の合評会(11:00-0:30)。
   とりあえず、リストにあがってた小説の項目だけだけはクリア。この企画をやりはじめたころは、ジェンダーの意味にもティプトリー賞にも気をとられながらやってたけれど、最近は基礎知識が浸透してきた感じ。歴戦のツワモノあり、初参加者あり、で、肩の力はぬけているけど、いうべきところはきっちり言うという雰囲気の読書会になった。それにしても、lainさんはよく読んでらっしゃる。すごい。ここに詳細なレポが! http://d.hatena.ne.jp/lain06/20070502

  それに続いて、わたし自身の企画で「これはSF賞ではない?2006年度ティプトリー賞選考経過報告」(0:30-2:00)。
   今回、わたしは2006年度の英語圏フェミニズム文学賞であるジェイムズ・ティプトリー賞の最終選考委員を務めたので、彼の地の文学賞の実態はどうなのか、といった事務的なプロセスから、候補作紹介、交わされた論戦の数々を次々披露させていただきました。実りは多いが苦労も多い、内幕の大暴露大会といったところですね。
   これについては、企画にあわせて制作されたジェンダーSF研究会の会誌『ティプトリー賞戦記』がみんさんの編集で販売され、企画ではそれにも収録できなかった、わたし自身のティプトリー賞介入を示す英文手紙の数々をレジュメとして配り、ヤバイ話に華をそえた次第です。文学賞といいうのは、その選考過程から決定結果まで、詳細なレポートがそれぞれ期待される制度ですから、その一端を情報公開できて、いまはたいへんうれしく思っています。